夫はモラハラなのか、それとも発達障害なのか。
空気が読めない。相手の気持ちがわからない。何度説明しても、同じことを繰り返す。感情のコントロールが苦手。
私が調べていく中で、モラハラで挙げられる行動と、発達障害の特性には似て見えるものがありました。
私も長い間、
「これはモラハラなのか?」
「発達障害なのか?」
「それとも、両方なのか?」
と、夫の言動を観察しながら答えを探してきました。
先に書いておくと、夫に医学的な診断はありません。
精神科の受診を勧めたこともありますが、
「俺は正常だ!」
とキレられて終わりました。
だからこの記事に書くのは、診断ではなく、3年以上一緒に生活し、発達障害について勉強しながら観察してきた、私の仮説です。
ここで誤解されたくないのは、発達障害があるからモラハラをするわけではない、ということです。
この記事は、発達障害とモラハラを結びつけるためのものではなく、
「うちの夫の場合、両方が重なっているのではないか」
と私が考えるようになった理由の記録です。
夫に精神科の受診を勧めたら「俺は正常だ!」
夫に精神科の受診を1度だけ勧めたことがあります。
怒り方や会話の噛み合わなさを見て、性格や機嫌だけの問題ではないように感じていたからです。
もし何か特性や病気が関係しているなら、原因が分かることで、対処法が見つかるかもしれないとも考えていました。
とはいえ、
「あなたは異常だと思う」
なんて言えば、怒鳴られて終わります(笑)
夫が落ち着いているときを選んで、まず、
「そういえば、怒るとよく怒鳴ったり、人格否定してくることがあるよね。そのことなんだけど」
と話を切り出しました。
「あなたも『自分も苦しい』って言ってたから、一度相談してみたら、少し楽になるかもしれないよ」
と伝えました。
返ってきたのは、
「俺は正常だ!」
「お前は俺が異常だと思ってるのか?」
でした。怒鳴られて終了。
後日、夫が一方的にヒートアップして怒鳴り続けていたとき、
「お前は頭がおかしいから精神科へ行け!!!」
と言われました。
「それなら行ってやるわ」
と思い、後日、夫には内緒で精神科を受診しました。そこで実際に診断を受けました。
→ 精神科で診断書を取るまでの話|モラハラ夫との生活が身体と精神に与えた影響
モラハラと発達障害は、行動がよく似ている
正直に書くと、私は早い段階で、
「この人、何かの障害があるのでは」
と思っていました。
付き合って数か月経った頃から、怒り方も、会話の噛み合わなさも、普通ではないと感じていたからです。
モラハラの特徴として挙げられる行動と、発達障害の特性として挙げられる行動は、外から見るとよく似ています。
表面上は同じに見える4つの行動
夫の言動で、私がずっと引っかかっていたのは、たとえばこういうものです。
- その場の空気が読めない
- 相手を傷つけても、平気なように見える
- 何度説明しても、同じことを繰り返す
- 感情のコントロールが極端に苦手
私はこのような言動を見ながら、モラハラについて調べる一方で、発達障害についてもかなり調べました。
特に調べたのが、自閉スペクトラム症(ASD)とADHDです。
夫にも重なって見えるところがあり、「モラハラだけで説明できるのかな」と考えるようになりました。
ASDとADHDでは、どんな特徴があるのか
自閉スペクトラム症(ASD)では、対人関係やコミュニケーションの難しさだけでなく、反復的な行動や発話、変化への強い苦手さ、興味の偏り、感覚の過敏さや鈍さなどがみられます。
たとえば、
- 会話のやり取りがうまく続かない
- 場面に合わせて行動を変えることが難しい
- 言葉やフレーズを繰り返す
- 小さな予定変更でも強く混乱する
- 興味の対象がかなり限られる
- 音や光、触感などの刺激に敏感、または鈍い
といった特徴が挙げられています。
一方、ADHDでは、不注意、多動性、衝動性が中心的な特徴です。
成人では、
- 忘れ物や物をなくすことが多い
- やるべきことを最後まで終えるのが難しい
- 整理や時間管理が苦手
- 気が散りやすい
- 落ち着かず、じっとしているのが苦手
- 人の話を遮ったり、考える前に行動したりする
といった形でみられることがあります。
もちろん、こうした特徴がいくつかあるだけでASDやADHDだと判断できるわけではありません。
ただ、夫と生活する中で、
「これも当てはまるな」
と思うことがいくつもありました。
「わざと」なのか「本当に分かっていない」のか
夫を見ていて一番分からなかったのが、
夫は、私が傷つくと分かっていて怒鳴ったり暴言を吐くのか。それとも、私が傷つくことが本当に分かっていないのか。
モラハラの解説では、加害者は、
「外では抑えられるのに家では抑えない。つまり選んでやっている」
と説明されることが多いです。実際、夫も外ではほとんど怒鳴りません。この点だけ見れば、「わざと」に見えます。
でも、家での夫を見ていると、それだけでは説明しにくいこともありました。
怒鳴ることがなぜいけないのか何度説明しても、同じことを繰り返します。怒鳴った後には、
「俺はお前に怒らされた側だ」
と言います。
たまに「後悔している」と言ったり、泣いたりすることもありました。数える程度ですが。
「もう怒鳴ったりするのはやめる」
と言った数時間後や数日後に、また怒鳴ることもありました。
夫の「たまに謝る・泣く」については、別の記事に書いています。
→ モラハラのハネムーン期に騙されない方法【優しくなっても信じるな】
夫に発達特性があるのではと思った場面
なぜ怒鳴ることがいけないのか、理解していないように見えた
「怒鳴ることがなぜいけないのか?」
私は言い方を変え、例を出し、図に書き、アメリカ人の夫に伝わるよう、本や動画、ネットの情報を英語に訳してまで何度も説明してきました。
「怒鳴れば冷静な話し合いができなくなり、結局、問題も解決しない」そのことも何度も伝えました。
それに対する夫の返事は、いつも同じです。
「怒らせるお前が悪い」
説明を理解した上で反論しているようには見えません。
「怒鳴ると冷静な話し合いができなくなる」という前提そのものが、夫の中にない。
私の説明は、どんなに言い方を工夫しても伝わらない。毎回同じやり取りを繰り返して、そう確信しました。
何度伝えても、やめてくれない
説明した直後は、
「わかった」
と言うこともあります。
ところが数日後、早ければ数時間後には、また怒鳴ったり、やめてほしいと伝えた言動をします。
そのことを指摘すると、
「そんな話は聞いていない」
「お前の言い方が悪かった」
と返されます。
「怒鳴らない」「人格を否定しない」というのは、私にとって一番やめてほしいことでした。
しかし、何百回伝えても、夫はやめません。
相手の状況に関係なく、自分がしたい話をする
私が何かに集中しているときでも、夫は何度も話しかけてきます。
内容は、急ぎでも何でもないInstagramの動画だったり、自分が今したい話だったりします。
私がその話題を知らなくても、興味がないと伝えても、
「今は見られないから、あとで見るね」
と言っても関係ありません。
その場で話を聞かなかったり、動画を見なかったりすると、舌打ちをして怒り、
「俺はコミュニケーションがしたかっただけだ」
と怒り、しばらく不機嫌になります。こっちが何をしているかなんてお構いなしです。
他の人には、自分の話に付き合ってもらえなくても、舌打ちをしたり怒った態度を引きずったりしません。そうなるのは、私に対してだけです。
私は、相手が忙しそうなら後にするし、興味がなさそうなら話題を変えます。夫といると、そういう当たり前のやり取りが通じないことがよくあります。
夫の元同僚からも、夫が相手の興味に関係なく、自分の話を長く続けることがあったと聞いたことがありました。
他にも、みんながサッカー観戦で盛り上がっている最中に、突然スタジアムの歴史を延々と話し始め、その通訳を私に求めてきたときのことはこちらに書いています。
予定変更や会話など、ASDと重なる部分
夫と生活している中で、ASDについて調べると、
「これも夫に当てはまるな」
と思うことがほかにもありました。
たとえば、夫は予定変更がかなり苦手です。
予定していたことが急に変わると強く混乱し、夫の場合はそのままキレることもあります。
会話では、さっき話したばかりの内容を、また最初から何度も繰り返すことがあります。私が止めなければ、同じ話を何度も繰り返します。
話し方の抑揚もかなり少なく、冗談や皮肉が通じにくいこともあります。
そのほかにも、
- その場に合わない言動をすることがある
- 暗黙のルールが分かりにくいように見える
- 相手がどう感じるのかを想像することが苦手に見える
- 興味を持つものの範囲がかなり狭い
- 感覚が鈍いように見える
といったことがあります。
忘れ物や先延ばしなど、ADHDと重なる部分
夫には、ADHDの特徴と重なって見えるところもあります。
- 忘れ物や物をなくすことが多い
- 整理整頓が苦手
- やるべきことを後回しにしがち
- 重要なレポートを書いている途中でも、SNSを見始めたり映画をつけたりする
- 人の話に割り込むことがある
最後の「人の話に割り込む」は、夫の場合そこまで頻繁ではありません。
成人のADHDでは、物をなくしやすい、整理や時間管理が苦手、先延ばししやすい、気が散りやすいなどの特徴が知られています。
こうして並べてみると、夫には当てはまるものがかなりあります。
夫が感情をコントロールできずに怒鳴ったり暴言を吐いたりすることで、私は死にたいと思うほど追い詰められました。
発達障害があるからモラハラをするわけではない
発達障害があるからといって、モラハラをするとは限りません。
発達特性があっても、相手を尊重しながらパートナーと良い関係を築いている人はいます。
私が夫について考えているのは、モラハラの言動に加えて、何かしらの発達特性もあるのではないか、ということです。
この記事で書いているのは、診断を拒否し、人を傷つけ続けている、うちの夫一人についてです。
仮に発達特性があっても、モラハラの免罪符にはならない
発達障害があるからといって、モラハラをするとは限りません。
発達特性があっても、相手を尊重しながらパートナーと良い関係を築いている人はいます。
私が夫について考えているのは、モラハラの言動に加えて、何かしらの発達特性もあるのではないか、ということです。
ただ、仮に夫に発達特性があったとしても、怒鳴ったり人格を否定したりすることまで「仕方ない」で済ませるつもりはありません。
この記事で書いているのは、診断のない夫について、私が3年以上一緒に生活する中で感じてきたことです。
今は、いつでも動けるように準備している
今でも、
「夫には何かしらの発達特性があるのでは」
とは思っています。
ただ、夫に受診する気はないので、実際に何の診断がつくのかは分かりません。
今やっているのは、夫との間に境界線を引くことと、自分がいつでも動けるように準備しておくことです。
→ 境界線を引いてみたらどうなった?|夫は変わらなかったけど私が楽になった話
→ モラハラ離婚の準備で私がやったこと|お金・証拠・相談先の話
参考文献
- 国立精神・神経医療研究センター「発達障害(神経発達症)」自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)など、発達障害の特徴について参照。
- National Institute of Mental Health(NIMH)「Autism Spectrum Disorder」ASDの対人コミュニケーション、反復的な発話、限定された興味、予定変更への苦手さ、感覚特性、話し方の抑揚などについて参照。
- National Institute of Mental Health(NIMH)「ADHD in Adults: 4 Things to Know」成人ADHDの不注意、整理や時間管理の難しさ、先延ばし、忘れ物や紛失、注意のそれやすさ、割り込みなどについて参照。
- Mention B, Pourre F, Andanson J. “Humor in autism spectrum disorders: A systematic review.” L’Encéphale. 2024;50(2):200–210. doi:10.1016/j.encep.2023.10.002.ASDにおけるユーモアや皮肉の理解について、43本の研究をまとめたシステマティックレビュー。