人間関係の境界線(バウンダリー)とは?モラハラ夫に振り回されないために私がやったこと

「境界線(バウンダリー)を引きましょう」

モラハラ対策を調べていると、よく出てくる言葉です。

でも、実際にモラハラ夫と生活しながらやってみると、そんなに万能なものではありませんでした。

DV・モラハラでは、境界線を引いたことで相手の反発が強くなったり、状況が悪化したりすることもあります。

「境界線って、結局どうやって引けばいいの?」

と思ってこの記事にたどり着いた方へ。

はっきり言って、この記事を読んでも、

「境界線はこう引けばOK!」

みたいな答えはたぶん出てきません。

なぜなら、モラハラ加害者によって反応も違えば、同じ方法が使えるとも限らないからです。

それでも

「読んでやろうじゃないか」

と思っている変態な読者様は、そのまま続きをどうぞ。

目次

境界線(バウンダリー)とは?

まずは、人間関係で言われる「境界線」とは何なのか、そしてDV・モラハラの関係ではどう考えればいいのかを整理します。

人間関係全般で言われる「境界線」

人間関係における境界線とは、簡単に言えば、

「ここまでは大丈夫。でも、ここからは無理」

という自分の限界を決めることです。

Harvard Healthでも、人間関係で境界線を引く方法として、

  • 無理なことは断る
  • 相手に使う時間を区切る
  • 自分が安心できるか、無理をしていないかで判断する
  • できないことを頼まれたら、別の方法を提案する

といった方法が紹介されています。

例えば、友人から相談の電話がかかってきても、今すぐ対応できなければ、

「今は話せないから、夜なら話せるよ」

と時間を決める。

頼まれごとをされても、自分には無理だと思えば断る。

つまり境界線は、相手との関係を切ることではなく、自分がどこまでなら無理なく関われるのかを決めるものです。

DV・モラハラでは「自分と相手を分ける」ことが重要になる

日本では、厚生労働省の女性支援ポータル「あなたのミカタ」でも、バウンダリーについて詳しく紹介されています。

記事の中では、バウンダリーを、

「私」と「私以外」を分ける、目に見えない心の境界線

と説明しています。

DVやモラハラでは、この「自分と相手を分ける」ことが特に重要になります。

相手から責められ続けていると、

「これは私のせいなのかも」

「私が我慢すればいいのかも」

と、本来は相手側の問題まで自分の責任のように抱えてしまうことがあります。

「あなたのミカタ」でも、バウンダリーが侵害されると、DVを受けている状況でも、

「これは私のせいだ」

「ここから逃げてはいけない」

と考えてしまうことがあると説明されています。

一方で、自分と相手を分けて考えられるようになると、嫌な要求にNOと言ったり、必要なら物理的に距離を取ったりする行動につながるとしています。

でも、「嫌ならNOと言えばいい」ですむ話ではない

境界線についてもう少し調べてみると、私がこれまで目にしてきた、

「嫌ならNOと言う」

「距離を取る」

といった方法より、もう一段踏み込んだ考え方もありました。

UC BerkeleyのGreater Goodに掲載されている、セラピストのSahaj Kaur Kohli氏の記事では、

境界線は相手の行動を変えるためのものではなく、自分の限られたエネルギーや時間を守るためのものと説明されています。

それに、境界線は相手に宣言して引かなくてもいいんです。

その場を離れたり、一緒にいる時間を短くしたりすることでも、境界線は引けます。

また、

「NOと言う」

「行かない」

「一度決めたことは貫く」

といった方法も、全員にできるとは限らないと書かれています。

場合によっては、自分に必要なものまで犠牲にしない範囲で、妥協したり別の方法を提案したりしてもいい。

つまり、

「嫌ならNOと言って、その線を絶対に守り抜く」だけが境界線ではない

ということです。

私は、この考え方のほうがかなり現実的だと思いました。

※このUC Berkeleyの記事はDV・モラハラについて書かれたものではなく、移民家庭や文化的背景の違う家族関係を多く扱うセラピストが、家族との境界線について書いたものです。

私は境界線の引き方が全くわからなかった

私はもともと、人に尽くしたり、

「私が我慢すればいいか」

と考えるタイプでした。

本当は我慢したくなかったし、自分の意見も言いたかった。

でも、私の周りには、人と違う意見を受け入れられない人が多く、自分の考えを言うと面倒になることもありました。

そうしているうちに、自分が我慢して周りに合わせることが癖になっていました。

夫はさらに、自分の意見以外を受け入れないうえに、思い通りにならないと怒る。

結局、私が我慢して、合わせて、折れることが増えていきました。

今思えば、幼少期から境界線なんてほとんど引けていませんでした(笑)

そんな私が、いざ自分で境界線を引こうとしても、

「で、具体的にどうやるの?」

となりました。

モラハラ夫と同居しながら境界線を引くのは難しい

ここからは、モラハラ夫と同居しながら実際に境界線を引いてみて、難しいと感じたことを書きます。

「距離を取る」が簡単にできない

「怒鳴られたら、その場を離れましょう」

と言われても、家の中でどこまで離れられるかは、住んでいる環境によってかなり違います。

例えば、5LDKくらいある大きな家で、寝室も仕事部屋も別。

バスルームも複数あって、生活空間をほとんど分けられるなら、同居していても、意識して顔を合わせようとしない限り会わずに生活できそうです(笑)

うちは部屋自体は別ですが、リビングもキッチンも生活動線も同じです。

一度その場を離れても、ご飯を作ったり、トイレやお風呂を使ったりすればまた顔を合わせるし、そのたびに夫は、不機嫌なのを露骨にアピールしてきます。

正直、そんな状態の夫とまた顔を合わせること自体が嫌です。

「NO」と言ったあとまで考えないといけない

私の場合、難しいのは「NO」と言うことではなく、そのあとです。

夫の場合、私が「NO」と言うと怒鳴り、暴言を吐き、「離婚する」と言い出したりして、そのまま何時間も怒り続けることがほとんどです。

NOと言ったあと、その怒りにどこまで付き合うのか。

放っておくのか、別室に行くのか。

そこまで考えておかないと、境界線を引いたことで、結局いちばん疲れるのが私になることもあります。

まずは基本的な境界線を実際にやってみた

とはいえ、何もしなければ何も変わりません。

嫌なことは「嫌」と伝える

まずやったのは、夫に嫌なことを求められたとき、我慢して応じるのをやめることでした。

夫に対しては、

「それは嫌」

「したくない」

と、かなりはっきり伝えます。

もともとの私は、人とぶつかるのが嫌で、自分が我慢して済ませることが多かったのですが、夫にまでそれを続けるのはやめました。

というか、夫の場合は嫌われようがどうでもいいので、ここは遠慮する理由もありません(笑)

とはいえ、生活に影響が出るほど関係をこじらせるのも困るので、そこは加減しています。

怒鳴られたら会話を続けない

夫が怒鳴ったり人格否定をしてきたりしたときは、腹が立って言い返したくなりますが、

「今あなたがやっていることはおかしい」

と言ったところで、

「そうですね、ごめんなさい。もう二度としません」

とはなりません。

だから今は、

「暴言や人格否定をするお前は人として終わってるわ」

と言いたくなっても、グッと抑えて、その場を離れるようにしています。

これが一番難しくて、一番大事な境界線でした。

私はずっと、子どもに何度も言い聞かせるように、何度でも伝えればいつかはわかると思っていました。

でも、うちのモラハラ夫は無理でしたね。もう諦めました。

夫の機嫌は私には関係ない

以前は、夫が不機嫌になると、

「違う言い方で再度説明してみたらうまくいくかな?」

「どう接したら、夫が怒らなくなるんだろう」

と考えていました。

と、当時の私は、夫は幼少期の母親からの虐待で傷ついていて、私が接し方を工夫しながら支えれば、いつか変わるかもしれないと思っていました。

夫の怒りをどうにかしようと、いろいろ試していた頃のことはこちらの記事で詳しく書いています。

今は、夫が何を考えていようが、どう感じていようが、私には関係ありません。

生活や支払いに関わること以外は、本当にどうでもいいです。

うちのモラハラの場合、境界線以前の問題だった

境界線について調べていると、SNSでは、

「最初は反発が強くなる。でも、それは境界線を引けている証拠です」

という話もよく見かけます。

うちも案の定、境界線を引いてみて、夫の反発は強くなりました。

でも、それって当たり前なんですよね(笑)

嫌なことを「嫌」と言われただけで怒る夫です。

相手の都合や気持ちを尊重する気があるなら、普通はそこで一度引きますよね。

でも、うちの夫にはそんな発想はありません。

だから私が境界線を引けば、そりゃ「拒絶された」となって反発します。

それでも私は、前の章で書いたような基本的な境界線の引き方を何度も試しました。

でも、とにかくコスパもタイパも悪い。

続けているうちに、

「これ、大人に境界線を引いているというより、子どもに『ダメ』を教えてるみたいだな」

と思うようになりました。

子どもなら、嫌がっても大人が根気よく教えていきます。

でも私は、夫の母親でも幼稚園の先生でもありません。

「これ、もう境界線以前の問題だな」

という結論になりました。

だからといって、同居している以上、何もしないわけにもいかなかったので、いろいろ試して、結局は自分なりのやり方を編み出しました。

これを境界線と呼ぶのかはわかりませんが、次に書きます(笑)

今は、状況によって対応を変えている

忙しい・眠いときはすぐ断る

今は、私が忙しいときや眠いときは、すぐ断ります。

夫にハグやキスを求められても、パソコンに集中しているなら、

「今忙しい」

眠いなら、

「もう寝たい」

で終わりです。

夫が怒るかもしれなくても、そのとき自分の中で優先順位が高いことを先にします。

ただ、夫の怒りの強さによっては、そこも少し加減します。

理由は短く伝える

断るときも、長々とは説明しません。

「今パソコンに集中したいから」

「今日はもう眠いから」

くらいです。

前は、どう言えば夫が納得するかまで考えていましたが、今はそこまで説明しません。

後から知ったのですが、UC BerkeleyのGreater Goodでも、境界線を伝えるときは必要なことだけ伝えればいいと紹介されています。

夫の怒りの強さで対応を変える

夫の怒りには、私の中で勝手に1〜10くらいのレベルがあります(笑)

1〜4くらいなら、

「今は無理」

と断って、そのまま自分のことを続けます。

5前後くらいになって、ぐちぐち言い始めたら少し様子を見る。

ただ、最初からMAXレベルの10で怒り始めることもよくあります。

そういうときは、数分なだめてみることもあれば、最初から相手にしないこともあります。そのときの様子を見て決めています。

「えっ、なだめるのは境界線じゃないのでは?」

と思ったかたもいますよね(笑)

そうです。私が確認した文献でも、相手をなだめることが境界線だとは書かれていません。

境界線とは、自分の限界を決める、NOと言う、距離を取る、自分の行動を変える、といったものです。

ただ、うちの夫は一度ぶち切れると、家を壊す勢いになったり、警察を呼ぶことになるほど大ごとになることがあります。

私は夫が怖いからなだめるのではなく、毎回この騒動に付き合って、その後始末までしなければならないのが疲れるので、状況によってはなだめることもあります。

判断基準は「自分が一番消耗しないか」

私は、夫を反省させたいわけでも、境界線を理解させたいわけでもありません。

というかそもそも夫は、私が境界線を引いてるとは夢にも思ってないでしょう(笑)

なだめたことで夫が、

「許された」

「怒れば構ってもらえる」

と思ったとしても、正直どうでもいいです。

もちろん、これは長期的に続ける対応ではありません。

ただ、今の私にとって優先順位が高いのは、夫を教育することではなく、自分を消耗させないことです。

だから、断る・少し説明する・なだめる・放っておく。

その中から、あとから私自身が一番疲れないであろう方法を選びます。

例えば、数分なだめるだけで、そのあと何時間も穏やかに過ごせるなら、私はそうします。

今のところ、これが私の最適解です。

モラハラ夫との境界線の引き方は、人によって違う

私もこれまで、本を読んだりネットで情報を探したりしながら、モラハラにどう境界線を使えばいいのか、いろいろ試してきました。

使えそうなものはとりあえずやってみて、合わなければやめる。

そうやって試していくうちに、書いてある方法のほとんどは、うちの夫には効かないことがわかりました(笑)

の中でも使えたものだけ残して、そこに自分なりのやり方を足していった感じです。

だから、この記事の冒頭でも書いたように、万人向けの「正しい境界線の引き方」ではありません(笑)

あくまで、この記事はモラハラ夫と同居している今、どうやって境界線を引くかを書いたものです。

「そんな夫なら離婚すればいいじゃん」

で終わるなら、こんな長い記事書いてません(笑)

そして、このやり方を続けて実際どうなったのか。

それはこちらの記事で書いています。

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