モラハラのハネムーン期に騙されない方法【優しくなっても信じるな】

モラハラをする人は、怒鳴ったり、人格を否定するようなことを言ったあとに、急に優しくなることがあります。

そのとき厄介なのは、優しくなった理由が「本当に反省したから」なのか、それともまた同じことを繰り返す前の一時的な変化なのか、すぐには分からないことです。

モラハラから謝られたり、態度が柔らかくなったりすると、

「今度こそ本当に反省したのかも」

「もう同じことはしないかも」

と期待してしまうこともあります。

DVでは、こうした変化を含む「暴力のサイクル」が知られていて、その中で急に優しくなる時期は「ハネムーン期」と呼ばれています。

この記事では、ハネムーン期では何が起こるのか、なぜ優しくされると期待してしまうのか、そして相手の変化を何で判断すればいいのかを、研究と私自身の経験をもとに書きます。

目次

DVで語られる「暴力のサイクル」とは

「暴力のサイクル」は、心理学者レノア・ウォーカーが1979年に示した、DVのある関係で繰り返されるパターンを説明するモデルです。

怒りや威圧が強くなっていく時期

この時期は、相手がイライラしたり、ちょっとしたことで怒ったりして、少しずつ緊張が高まっていきます。

嫌味を言う、責める、不機嫌な態度を見せる、威圧するなどが増え、被害を受ける側も「また怒るかもしれない」と相手の様子を気にするようになります。

そのため、言い返さないようにしたり、機嫌を損ねないように行動を変えたりして、その場を悪化させないようにすることもあります。

暴言や暴力が起こる時期

緊張がさらに高まると、怒鳴る、脅す、物に当たる、暴言を吐く、身体的な暴力を振るうなど、虐待的な行動がはっきり表れる時期に入ります。

Walkerのモデルでは、ここを暴力や虐待が実際に起こる段階として説明しています。

ここでいうDVには、殴る・蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、怒鳴る、脅す、侮辱するなどの精神的な暴力も含まれます。

急に優しくなる「ハネムーン期」

暴言や暴力が起きたあと、加害者の態度がそれまでとは大きく変わる時期があります。

Walkerのモデルによると、この時期がハネムーン期です。

被害を受けた側にとっては、それまでの緊張がいったん和らぐ時期でもあります。

「暴力のサイクル」がすべてのDVに当てはまるわけではない

「暴力のサイクル」は有名なモデルですが、すべてのDVがこの流れをたどるわけではありません。

ハネムーン期がほとんどないケースもあれば、相手がイライラしたり、ちょっとしたことで怒ったりする状態がずっと続いたり、暴力や暴言が一定の周期ではなく起こったりするケースもあります。

また、後の研究では、WalkerのモデルだけではDV被害のすべてを説明できないことも指摘されています。

暴力が必ず同じ順番で繰り返されるとは限らず、強くなったり、変わらなかったり、逆に減ったりする場合もあります。

ハネムーン期には何が起こる?

謝ったり、急に優しくなったりする

暴言や暴力のあと、それまでとは打って変わって謝ったり、優しく接したりすることがあります。

DVの「暴力のサイクル」を扱った文献でも、ハネムーン期には、謝罪したり愛情を示したり、被害を受けた側にプレゼントを渡したりする行動がみられるとされています。

「もうしない」「変わる」と言ってくる

被害者に暴力をふるったあと、

「もう二度としない」

「変わるから」

「今度こそ大丈夫」

と加害者が約束することがあります。

実際、ハネムーン期の特徴として、加害者が暴力を繰り返さないと約束したり、関係を修復しようとしたりすることが報告されています。

何事もなかったように接してくることもある

必ずしも毎回、謝ったり反省した様子を見せるとは限りません。

何事もなかったように普通に接してきたり、急に機嫌がよくなったりすることもあります。

これうちのモラハラ夫がよくやるんですけど、めちゃくちゃムカつきます。

私の夫の場合

私の夫は、ここまで挙げたハネムーン期の行動に全部当てはまります。

私の夫も、怒鳴ったり人格否定をしたあとに急に優しくなったり、「もうしない」「変わる」と言ったり、何事もなかったように接してきたりします。

何年たっても同じことの繰り返ししかしません。

もうこいつダメだ。

加害者の「優しさ」は意図的なのか?

罪悪感や後悔があるケース

暴言や暴力のあとに、自分のしたことを後悔したり、罪悪感を抱いたりして、謝ったり埋め合わせをしようとする加害者もいます。

「暴力のサイクル」を扱った文献でも、暴力のあとに後悔や罪悪感が生まれ、関係を修復しようとする行動がみられると説明されています。

この場合、そのときの謝罪や後悔そのものは本心である可能性もあります。

ただし、本気で後悔していたとしても、また同じことを繰り返す人はいます。

関係を失いたくなくてつなぎ止めようとするケース

恋人や配偶者など、親しい関係についての研究では、自分にとって大切な関係ほど、壊れそうになったときに謝ったり、埋め合わせをしたりして関係を修復しようとしやすいことが分かっています。

いや、だったら何度もDVするなよ。

これはDVに限った研究ではありませんが、「相手を失いたくないから関係を修復しようとする」心理そのものには根拠があります。

かなり戦略的に使われるケースもある

一方で、謝罪や「もうしない」という約束、優しい言葉などを加害者がわざと使うケースもあります。

DVやパートナーからの暴力に関する研究でも、こうした言動が、相手を関係につなぎ止めたり、離れにくくしたりするために使われるケースが報告されています。

相手が離れていかないように、ある程度計算して態度を変えている場合もあるということです。

これが、いわゆる「計算高いモラハラ」ってやつか……。

なぜ優しくなると「今度こそ変わるかも」と思ってしまうのか

私自身も、夫が急に優しくなるたびに、

「やっぱり根は優しい人なのかもしれない」

「今回は本当に反省したのかもしれない」

と何度も期待しました。

虐待的な関係では、つらい出来事と、その後の優しさや安心が交互に現れることがあります。

こうした「つらさ」と「安心」の繰り返しは、間欠強化(intermittent reinforcement)と呼ばれ、相手との強い結びつきが残る要因の一つになると説明されています。

まとめ|ハネムーン期に振り回されないために

言葉ではなく、実際の行動を見る

「ごめん」「もうしない」「変わる」と言ったり、急に優しくなったりしても、それだけで本当に変わったと判断するのは危険です。

見るべきなのは、実際に怒鳴らなくなったのか、暴言がなくなったのか、同じことを繰り返していないかです。

一時的な変化だけで判断しない

数日や一週間だけ優しくなったからといって、優しくなった=変わった、ではありません。

DV加害者への介入研究でも、その後の行動は6か月、12か月といった長い期間で追跡されています。

それくらい、変化は短期間では判断しにくいということです。

同じことが繰り返されているなら、いつ何があったのかを記録しておくのも有効です。

あとから見返すことで、「最近は優しい」という印象だけではなく、本当に暴言や怒鳴る行為がなくなっているのかを確認しやすくなり、必要になったときにこれまでの経緯を説明する材料にもなります。

→詳細記事:モラハラの証拠として何を残しておけばいいのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。

そもそも、きちんと話し合いができているか

優しくなったあと、起きたことについてきちんと話し合えるかも大事だと思います。

「なぜ怒鳴ったのか」
「何が問題だったのか」
「次に同じ状況になったらどうするのか」

こういう話をしようとしたときに、逆ギレしたり、こちらのせいにしたり、話をそらしたりするなら、また同じことを繰り返します。

本当に相手のことを考えているなら、自分が責められるような話でも、聞きたくない話でも、逃げずに聞こうとするはずです。

まぁうちのモラハラ夫はそうはなりませんでしたw

それでも変わらなかったらどうする?

ここまでかいておいてなんですが……

正直、私自身の経験から、モラハラはそう簡単には変わらないと感じています。

パートナーが一人でどうにかしようとしても、正直かなり難しいと思います。

本人に「モラハラをしている」という自覚があれば、第三者に相談したり、専門的なサポートを受けたりすることもできます。

でも、本人が自分に問題があると思っていなければ、そもそも無理です。

実際、私の夫も精神科の受診を拒否しています。

本人に変わるための行動をする意思がない以上、私はもう期待するのをやめました。

その代わりに、夫は変わらない前提で、自分がどうするかを考えるようになりました。

→「モラハラ離婚の準備で私がやったこと|お金・証拠・相談先の話」リンク

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